オール電化住宅は光熱費のすべてに燃料費調整額がかかる|ガス併用世帯との違い
オール電化住宅は、給湯・調理・暖房など家庭で使うエネルギーのすべてを電気でまかなう住宅です。この記事では、オール電化住宅がガス併用世帯と比べて、燃料費調整額の影響をどのように受けるかを整理します。
オール電化住宅とガス併用世帯の構造の違い
一般的な住宅では、給湯や調理の一部を都市ガスやプロパンガスでまかない、照明や家電の稼働に電気を使うというように、光熱費が電気とガスに分かれています。これに対してオール電化住宅は、エコキュートなどの電気給湯機で湯を沸かし、IHクッキングヒーターで調理し、エアコンなどの電気暖房で部屋を暖めるというように、光熱費のほぼすべてが電気の使用量に集約される構造になっています。
この構造の違いが、燃料費調整額の影響範囲にも表れます。電気代の内訳(基本料金・電力量料金・燃料費調整額・再エネ賦課金)については、電気代はこの4要素で決まるで解説しています。
燃料費調整額はなぜ使用量に応じてかかるのか
燃料費調整額は、発電に使う原油・LNG(液化天然ガス)・石炭の輸入価格変動を電気料金に反映させる仕組みで、使用量(kWh)に燃調単価を掛けた金額が毎月の電気代に加減算されます。使用量が多いほど、燃調単価による値引き・値上げの絶対額も大きくなります。仕組みの詳細は燃料費調整額(燃調)とはで解説しています。
オール電化住宅は給湯・調理・暖房をすべて電気でまかなうため、ガス併用世帯と比べて月間使用量そのものが多くなる傾向があります。使用量が多いということは、それだけ燃料費調整額の影響を受ける範囲(kWh数)が広いということでもあります。ガス併用世帯では、給湯・調理にかかる燃料費の変動の一部が都市ガス・プロパンガス側の原料費調整の対象になりますが、これは電気の燃料費調整額とは別の制度・別の単価です。
使用量による影響額の違いを試算する
東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bの2026年8月分の燃調単価(政府支援込み)は、1kWhあたり-10.27円です。月間使用量ごとの燃料費調整額の合計は、次のようになります。
| 月間使用量 | 燃料費調整額(2026年8月分・支援込み) |
|---|---|
| 300kWh | -3,081.00円 |
| 500kWh | -5,135.00円 |
使用量が多いオール電化住宅ほど、燃調単価による値引き・値上げの絶対額は大きくなります。2026年8月分は値引き方向(マイナス)のため、使用量が多いほど値引き額も大きくなっていますが、燃料価格が高騰し燃調単価がプラス方向に転じた場合は、同じ理屈で値上げ額も大きくなることがあります。使用量が多い世帯ほど、燃調単価の変動による請求額への影響が大きくなりやすいという点は、オール電化住宅に限らず、電気使用量の多い世帯全般にあてはまる構造です。
ガス併用世帯には別の変動要素がある
ガス併用世帯では、電気の燃料費調整額に加えて、都市ガス・プロパンガス側にも原料費調整という同様の仕組みがあります。オール電化住宅が電気の燃料費調整額だけを見ればよいのに対し、ガス併用世帯は電気とガスという2つの変動要素を把握する必要があります。どちらの世帯がトータルで有利かは、電気とガスそれぞれの使用量・単価・燃料価格の動向によって変わるため、一概に「オール電化のほうが必ず不利」あるいは「必ず有利」とはいえません。
オール電化住宅の電気代を確認するときのポイント
オール電化住宅では光熱費が電気の使用量に集約される分、契約しているプランの単価が使用量に見合っているかどうかが、光熱費全体に与える影響も大きくなります。契約アンペアの選び方は契約アンペアの選び方、季節による使用量の変動については冬に電気代が上がる理由で解説しています。自分の使用量に対して現在のプランが割高になっていないかは、電気料金シミュレーターで確認することをおすすめします。
再エネ賦課金の影響についても同じ考え方があてはまる
燃料費調整額と同様に、再エネ賦課金も使用量(kWh)に単価を掛けて計算される項目です。2026年度の単価は1kWhあたり4.18円で、全国一律・電力会社を問わず共通です。使用量が多いオール電化住宅では、再エネ賦課金の負担額も、ガス併用世帯で電気の使用量が少ない場合と比べて大きくなる傾向があります。ただし、この単価自体は電力会社やプランを切り替えても変わらないため、再エネ賦課金の負担を軽減する方法は、使用量そのものを見直すこと以外にありません。詳しい仕組みは再エネ賦課金とはで解説しています。
この記事のまとめ
- オール電化住宅は給湯・調理・暖房のすべてを電気でまかなうため、光熱費のほぼ全体が電気の使用量に集約される
- 燃料費調整額は使用量(kWh)に単価を掛けて計算されるため、使用量が多いオール電化住宅ほど影響を受ける範囲(kWh数)が広い
- 2026年8月分の燃調単価(支援込み)は-10.27円/kWhで、月間使用量300kWhなら-3,081.00円、500kWhなら-5,135.00円の値引きとなる
- ガス併用世帯には都市ガス・プロパンガス側の原料費調整という別の変動要素があり、トータルでの有利不利は一概に判断できない
- オール電化住宅では契約プランの単価が使用量に見合っているかどうかが光熱費全体に与える影響も大きいため、シミュレーターでの確認が重要
よくある質問
オール電化住宅とはどんな住宅ですか?
給湯・調理・暖房など、家庭で使うエネルギーのすべてを電気でまかなう住宅を指します。エコキュートなどの電気給湯機で湯を沸かし、IHクッキングヒーターで調理し、エアコンなどの電気暖房で部屋を暖める住宅が該当します。都市ガスやプロパンガスの契約自体がない、または調理・給湯用に使っていない住宅です。
オール電化住宅は燃料費調整額の影響をより強く受けるのですか?
光熱費のほぼ全体が電気の使用量に集約されるため、燃料費調整額(電気側の変動要素)の影響が光熱費全体に及ぶという構造上の違いがあります。ガス併用世帯では、給湯・調理の一部がガス側の原料費調整の対象になるため、電気の燃料費調整額の影響を受けるのは電気の使用量部分に限られます。ただし、ガス側にも原料費調整という同様の変動要素があるため、「オール電化のほうが必ず不利」とは一概にいえません。
燃料費調整額が値引き方向のときは、オール電化住宅のほうが有利になりますか?
使用量が多いほど、燃料費調整額(1kWhあたりの単価)による値引き額または値上げ額の絶対値は大きくなります。当サイトが照合した[従量電灯B](https://www.tepco.co.jp/ep/private/plan/chargelist01.html)の2026年8月分の燃調単価(支援込み)は-10.27円/kWhです。月間使用量300kWhなら-3,081.00円、500kWhなら-5,135.00円の値引きとなり、使用量が多いオール電化住宅ほど、値引き局面では値引き額も大きくなる計算です。ただし燃料価格が高騰する局面では、同じ理屈で値上げ額も大きくなることがあります。
オール電化住宅の電気代を抑えるにはどうすればいいですか?
使用量そのものが多くなりやすいオール電化住宅では、契約しているプランの単価が使用量に見合っているかを確認することが重要です。[電気料金シミュレーター](/#simulator)で契約アンペアと月間使用量を入力し、主要プランを比較することをおすすめします。あわせて、エコキュートや暖房の設定を見直すことで、使用量そのものを抑える工夫も有効です。