「60A」と「6kVA」は同じ契約容量|地域で単位が違う理由
電気の契約容量を表す単位には、「アンペア(A)」と「キロボルトアンペア(kVA)」の2種類があります。この記事では、この2つの単位の換算方法と、地域によって表記単位が異なる理由を整理します。
kVAとアンペアの換算式
電力(皮相電力)は、電圧(V)×電流(A)で表され、これをキロワットアンペア(kVA)という単位で表したものが契約容量の「kVA」です。計算式にすると次のようになります。
kVA = 電圧(V) × 電流(A) ÷ 1000
一般家庭で広く使われている単相100Vの電気を例にすると、1kVAあたりの電流は次のように計算できます。
1kVA = 電圧100V × 電流A ÷ 1000
→ 電流A = 1000 ÷ 100 = 10A
つまり、単相100Vの契約では1kVA=10Aという関係で換算できます。たとえば6kVAの契約容量は60Aに相当し、3kVAの契約容量は30Aに相当します。契約容量の意味そのものは「同時に使用できる電力の上限」であり、アンペアで表記してもkVAで表記しても、示している内容は同じです。
なぜ地域や契約によって表記単位が違うのか
契約容量の表記単位が違うのは、電力会社ごとに採用している契約方式が異なるためです。契約時にあらかじめ決めたアンペア数の上限でブレーカーが作動する「アンペア制」の地域では、契約容量がアンペア(A)で表記されます。一方、実際に使用した最大電力(デマンド値)にもとづいて契約容量を決める「実量制」を採用している地域では、契約容量がキロボルトアンペア(kVA)で表記されるのが一般的です。
どちらの制度が採用されているかは電力会社によって異なるため、この記事では特定の地域名を挙げた断定はせず、契約している電力会社の公式サイトや検針票で、自分の契約がどちらの方式かを確認することをおすすめします。
自分の契約容量の単位を確認する方法
検針票の契約種別・契約容量の欄を見ると、「30A」のようにアンペアで表記されている場合と、「3kVA」のようにキロボルトアンペアで表記されている場合があります。検針票の見方全般については、検針票・電気料金明細の読み方で解説しています。
検針票が手元にない、またはWeb検針票のみで確認しづらい場合は、契約している電力会社のマイページにログインするか、カスタマーセンターに問い合わせることで、自分の契約容量とその単位を確認できます。
単位が違っても比較の考え方は同じ
表記単位がアンペアであってもkVAであっても、契約容量が大きいほど同時に使える電力の上限が大きくなり、多くのプランでは基本料金もそれに応じて高くなるという基本的な関係は変わりません。当サイトが照合した東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bの例では、契約30Aで935.25円、40Aで1,247.00円というように、アンペア数が上がるほど基本料金も上がります。kVA表記の契約でも、契約容量が大きくなるほど基本料金が上がるという同様の考え方が一般的です。
契約容量をどう選べばよいかという具体的な目安は、契約アンペアの選び方で解説しています。同時に使う家電の合計消費電力(W)を目安に、必要な契約容量を見積もる考え方は、単位がアンペアでもkVAでも共通して使える考え方です。
なお、契約容量の単位が違っても、基本料金の金額そのものを単純に横並び比較することはできません。基本料金の単価(1A・1kVAあたりの金額)は電力会社やプランごとに異なるためです。当サイトの料金データは東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bなど、アンペア制のプランを中心に照合しています。kVA表記のプランを契約している場合は、契約している電力会社の公式サイトで、該当する容量区分の基本料金を直接確認してください。
引越し先で契約容量の単位が変わることもある
引越しで以前とは異なる地域に転居する場合、これまでアンペア表記だった契約が、転居先ではkVA表記になる(またはその逆になる)ケースがあります。単位の呼び方が変わっただけで戸惑うことがありますが、この記事で説明した換算式を知っておけば、以前の契約容量と比べてどの程度の容量になるのかを自分で計算できます。引越しに伴う電気契約の手続き全般については、電気の引越し手続きでまとめています。
契約容量を決める際は、同時に使う家電の合計消費電力(W)を基準に考えるのが基本です。エアコン・電子レンジ・ドライヤーなど消費電力の大きい家電を同時に使う家庭ほど、大きめの契約容量が必要になります。家電ごとの消費電力の目安は、家電の電気代一覧でまとめて確認できます。
この記事のまとめ
- 契約容量の単位には「アンペア(A)」と「キロボルトアンペア(kVA)」があり、単相100Vの場合は1kVA=10Aという関係で換算できる
- 表記単位が違うのは、電力会社が採用している契約方式(アンペア制か実量制か)の違いによるもので、契約容量の意味そのものは同じ
- 自分の契約容量とその単位は、検針票の契約種別・契約容量欄で確認できる
- 契約容量が大きいほど、多くのプランで基本料金も高くなるという基本的な関係は、単位がアンペアでもkVAでも変わらない
- 契約容量の選び方の具体的な目安は、同時に使う家電の合計消費電力(W)をもとに考えるとよい
よくある質問
kVAとアンペアはどうやって換算しますか?
電力(kVA)は電圧(V)×電流(A)で決まるため、kVA=V×A÷1000という関係式で換算できます。一般家庭で広く使われている単相100Vの場合、1kVA=1000÷100=10Aとなるため、「1kVAあたり10A」という関係で換算できます。たとえば6kVAの契約容量は60Aに相当します。
自分の契約がアンペア表記かkVA表記か、どこで確認できますか?
検針票の契約種別・契約容量の欄に記載されています。「30A」のようにアンペアで表記されている場合と、「3kVA」のようにキロボルトアンペアで表記されている場合があります。どちらの単位で契約しているかわからない場合は、検針票を確認するか、契約している電力会社のマイページ・カスタマーセンターに問い合わせると確実です。
アンペア表記とkVA表記で、契約容量の意味に違いはありますか?
単位が違うだけで、どちらも「同時に使用できる電力の上限」という契約容量の意味そのものは同じです。100V単相の家庭であれば、1kVA=10Aという関係で換算できるため、表記単位が違っても実質的に同じ契約容量を比較できます。
契約容量を上げると基本料金はどう変わりますか?
多くのプランでは、契約容量(アンペアまたはkVA)が大きいほど基本料金も高くなる仕組みです。当サイトが照合した[東京電力エナジーパートナーの従量電灯B](https://www.tepco.co.jp/ep/private/plan/chargelist01.html)では、契約30Aで935.25円、40Aで1,247.00円というように、アンペア数に比例して基本料金が上がります。契約容量の選び方については[契約アンペアの選び方](/articles/keiyaku-ampere-erabikata/)で詳しく解説しています。