こたつは1時間18.60円、オイルヒーターは37.20円|暖房器具3種の電気代を比べる
暖房器具は種類によって定格消費電力(W)が大きく異なり、それがそのまま電気代の差になります。この記事では、こたつヒーター・セラミックファンヒーター・オイルヒーターという3種類の暖房器具について、メーカー公式スペックと電力料金目安単価31円/kWh(税込)で1時間あたりの電気代を比較します。あわせて、単純な時間あたり比較ができないエアコンとの違いも整理します。
こたつ・セラミックファンヒーター・オイルヒーターの電気代を比較する
3種類の暖房器具の消費電力と、1時間あたりの電気代は次のとおりです(いずれも最大出力時)。
| 暖房器具 | 消費電力 | 1時間あたりの電気代 |
|---|---|---|
| こたつヒーター(山善YHF-HDN604) | 600W(最小90W) | 18.60円 |
| セラミックファンヒーター(ダイニチEF-H1200G・強) | 1,200W | 37.20円 |
| オイルヒーター(山善DOL-JJ12・最大) | 1,200W | 37.20円 |
こたつヒーターは最小90Wまでサーモスタットで出力を抑えられるため、常に最大600Wを消費し続けるわけではありません。最小出力(90W)であれば、1時間あたりの電気代は2.79円まで下がります。セラミックファンヒーターとオイルヒーターは消費電力が同じ1,200Wのため、最大出力時の1時間あたり電気代も同額の37.20円です。
同じW数でも体感の暖かさが違う理由
セラミックファンヒーターとオイルヒーターは、どちらも最大1,200Wという同じ消費電力ですが、暖め方の仕組みが異なります。セラミックファンヒーターはセラミック製の発熱体を温風で部屋に送り出す方式で、スイッチを入れるとすぐに温風が出るため立ち上がりが早いのが特徴です。一方オイルヒーターは、内部のオイルを電気で温め、その熱を放熱フィンから部屋にじんわりと伝える方式で、温風を出さないため空気の乾燥や音が少ない一方、部屋全体が暖まるまでに時間がかかる傾向があります。
こたつヒーターは、そもそも部屋全体ではなく足元という限られた範囲だけを暖める器具のため、同じ消費電力でも部屋全体を暖める器具とは比較の前提が異なります。暖める範囲が狭いぶん、少ない消費電力でも体感的な暖かさを得やすいというのが、こたつが暖房器具の中で消費電力が低く抑えられている理由のひとつです。
エアコンは「1時間あたり」で単純比較できない
ここまで比較した3つの暖房器具は、いずれも電気を熱に直接変換する方式(電気ヒーター式)です。これに対してエアコンは、電気でコンプレッサーとファンを動かし、屋外の熱を室内に移動させる「ヒートポンプ」という方式で暖房します。電気を熱に変換するのではなく熱を運ぶ方式のため、同じ1kWhの電気でヒーター式より多くの熱量を室内に届けられる傾向があります。
この方式の違いにより、エアコンは定格消費電力(W)の値だけで他の暖房器具と単純比較することができません。当サイトのデータでは、14畳用エアコン(パナソニックCS-406DJR2)の暖房分の年間消費電力量は1,081kWhで、31円/kWh換算では年間33,511円(月額換算2,792.58円)です。これは1年間の暖房シーズン全体を通じた消費電力量であり、こたつやヒーター類のように「1時間つけたらいくら」という単純な計算はできません。エアコンのつけっぱなしと設定温度の節電効果については、エアコンつけっぱなしは得か損かで詳しく解説しています。
暖房器具はどう組み合わせるのが合理的か
消費電力の大きいエアコンで部屋全体を暖めつつ、こたつやホットカーペットのような局所暖房を併用して設定温度を上げすぎないようにする使い方は、消費電力を抑えるうえで理にかなっています。加えて、サーキュレーターで空気を循環させることで、エアコンの暖気が天井付近にたまるのを防ぎ、設定温度を上げなくても体感温度を保ちやすくなります。どの家電から見直すべきかという優先順位の考え方は、どの家電から節電すべきかにまとめています。
窓からの熱の出入りも、暖房器具の効き方に影響します。断熱カーテンや窓用の断熱シートで窓からの熱の流出を抑えれば、同じ暖房器具・同じ設定でも部屋の温度が下がりにくくなり、結果として暖房器具の稼働時間を短くできることがあります。窓の断熱と暖房効率の関係は、暖房で逃げる熱の58%は窓からで詳しく解説しています。
主要な家電の電気代もあわせて確認する
暖房器具以外の家電を含めた電気代の全体像を確認したい場合は、家電の電気代一覧でエアコン・冷蔵庫・洗濯機・テレビなど機種別の電気代を一覧にまとめています。暖房器具の消費電力が家計に占める割合を把握するうえでの参考になります。
この記事のまとめ
- こたつヒーター(最大600W)は1時間18.60円、セラミックファンヒーターとオイルヒーター(いずれも1,200W)は1時間37.20円で、消費電力の差がそのまま電気代の差になる
- こたつヒーターは最小出力90Wまで下げられ、その場合の電気代は1時間2.79円まで下がる
- セラミックファンヒーターとオイルヒーターは消費電力が同じでも、温風式とオイル放熱式という方式の違いで立ち上がりの速さが異なる
- エアコンはヒートポンプ方式のため定格W数での単純比較ができず、当サイトのデータでは14畳用エアコンの暖房分が年間33,511円(31円/kWh換算)
- エアコンと局所暖房・サーキュレーターを組み合わせることで、設定温度を上げすぎずに済ませられる
よくある質問
こたつとセラミックファンヒーターでは電気代はどのくらい違いますか?
定格消費電力で比較すると、こたつヒーター(山善YHF-HDN604・最大600W)は1時間18.60円、セラミックファンヒーター(ダイニチEF-H1200G・強運転1,200W)は1時間37.20円です(電力料金目安単価31円/kWhで計算)。セラミックファンヒーターはこたつの2倍の消費電力のため、電気代もほぼ2倍になります。ただし、こたつは足元だけを局所的に暖める器具、セラミックファンヒーターは部屋全体に温風を送る器具なので、暖める範囲が異なる点を踏まえて比較する必要があります。
オイルヒーターは電気代が高いと言われるのはなぜですか?
オイルヒーター(山善DOL-JJ12)の最大出力時の消費電力は1,200Wで、セラミックファンヒーターと同水準です。「電気代が高い」というイメージは、オイルヒーターが部屋全体をじんわり暖める方式のため、目標温度に達するまでの立ち上がりに時間がかかり、結果として長時間つけっぱなしにしがちであることが背景にあると考えられます。段階調整機能を使って出力を抑えれば、消費電力自体を下げることもできます。
エアコンの暖房は、こたつやヒーターと比べて安いのですか?
定格消費電力(W)で単純比較することはできません。エアコンは電気でモーターを動かして外気の熱を室内に移動させる「ヒートポンプ」という方式で暖房するため、同じ1kWhの電気で作り出せる暖かさがヒーター類(電気を熱にそのまま変換する方式)より大きくなる傾向があります。当サイトのデータでは、14畳用エアコン(パナソニックCS-406DJR2)の暖房分の年間消費電力量は1,081kWh(31円/kWh換算で年間33,511円)です。1時間あたりに単純換算できない点が、こたつやヒーター類との大きな違いです。
暖房器具は複数を組み合わせて使ったほうがお得ですか?
部屋全体を暖めるエアコンと、足元だけを暖めるこたつやカーペットを併用し、エアコンの設定温度を上げすぎずに済ませる使い方は、消費電力を抑えるうえで理にかなっています。組み合わせ方や優先順位の考え方は、当サイトの[どの家電から節電すべきか](/articles/setsuden-yusen-junni/)で解説しています。